公益社団法人 石川勤労者医療協会 寺井病院

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身体拘束等の適正化に関する指針

2022年5月25日制定
2026年4月22日改定

第1条 身体拘束や行動制限の適正化に関する基本的な考え方

当グループは、患者・利用者の尊厳と人権を守ることを最優先とし、身体拘束その他の行動制限は原則として行わない。
身体拘束等は、以下の3つの要件(以下「三要件」という。)をすべて満たす場合に限り実施する。
① 切迫性
利用者本人または他者の生命・身体が危険にさらされる可能性が著しく高く、緊急に対応する必要がある場合。
② 非代替性
身体拘束以外の方法では安全を確保することができず、他に代替する手段がない場合.
③ 一時性
身体拘束は一時的なものであり、必要最小限の期間に限って実施されるものであること。
やむを得ず身体拘束等を行う場合は、
・その態様
・実施時間
・利用者の心身の状況
・緊急やむを得ない理由
を必ず記録し、速やかに解除に向けた対応を行う。また、薬物による行動抑制(ケミカル・レストレイント)を含む、すべての行動制限の最小化に努める

第2条 身体拘束等に該当する行為

身体拘束等の具体的な内容として、以下の行為が該当する。
ア.徘徊防止のために車椅子・椅子・ベッドに体幹や四肢を紐等で縛る
イ.転落防止のためにベッドに体幹や四肢を縛る
ウ.自力で降りられないようにベッドをサイドレールで囲む
エ.点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように四肢を縛る
オ.チューブ抜去防止や皮膚搔破防止のためにミトン型手袋等を装着する
カ.ずり落ち防止や立ち上がり防止のために抑制帯・腰ベルト・车椅子テーブルを使用する
キ.立ち上がりを妨げる構造の椅子を使用する
ク.脱衣やおむつ外しを防ぐために介護衣(つなぎ服)を着せる
ケ.他者への迷惑行為を防ぐために身体を縛る
コ.行動を落ち着かせる目的で向精神薬を過剰に使用する(ケミカル・レストレイント)
サ.自分の意思で開けられない居室等に隔離する

第3条 虐待防止対策委員会および身体拘束最小化委員会

虐待防止および身体的拘束等の最小化を推進し、再発防止を図るため「虐待防止対策委員会」および「身体拘束最小化委員会」を設置する。
虐待防止対策委員会は、虐待防止および身体拘束最小化に関する統括・管理・教育を担う組織とする。
身体拘束最小化委員会は、身体拘束最小化に関する現場実務・分析・改善活動を担う組織とし、相互に連携しながら活動するものとする。

  • 1(1)虐待防止委員会の役割
  • 虐待防止委員会は、患者・利用者の人権擁護および虐待防止を統括する組織として、次の役割を担う。
  • ・虐待防止および身体拘束最小化に関する指針・規程等の整備および見直し
  • ・虐待防止および身体拘束最小化に関する基本方針の策定および周知
  • ・職員への人権擁護、虐待防止および身体拘束最小化に関する教育・研修の企画および推進
  • ・虐待の早期発見、再発防止および通報体制の整備に関すること
  • ・職員が相談しやすい体制づくりおよび支援体制の整備
  • ・身体拘束最小化委員会との連携および活動状況の確認・評価
  • ・身体拘束最小化に関する取り組み状況の確認および必要な改善指示
  • ・身体拘束最小化に関する指針、規程、研修計画等の承認および管理
  • ・虐待防止および身体拘束最小化に関する情報公開および周知
  • ・その他、患者・利用者の権利擁護に関する事項
  • (2)構成
  • 多職種で構成する。構成員は、管理部、通所・入所・病棟・外来・寺井の家等の各部門代表者とする。また、必要に応じて身体拘束最小化委員会委員が参加し、相互に連携を図るものとする。
  • (3)開催頻度
  • ・虐待防止委員会は、1か月に1回以上開催する。
  • ・必要時には臨時開催する。
  • ・委員会では、虐待防止に関する取り組み状況、相談・通報事例、研修実施状況、身体拘束最小化委 員会からの報告等を確認し、必要な対策を検討する。
  • ・会議内容は議事録として記録し、適切に保管する。
  • (4)身体拘束最小化委員会の役割
  • 身体拘束最小化委員会は、身体拘束最小化の実務を担う組織として、次の役割を担う。
  • ・身体拘束実施状況の把握、集計および分析
  • ・身体拘束割合(直近3か月)の評価および改善提案
  • ・身体拘束の代替手段の検討および現場への普及
  • ・身体拘束事例の検証および再発防止策の提案
  • ・身体拘束最小化チームによる病棟ラウンド(巡回)および改善活動の実施
  • ・身体拘束実施時の記録内容の確認および適正化の推進
  • ・身体拘束解除に向けた検討および支援
  • ・現場における身体拘束最小化に関する課題の抽出および改善活動
  • ・虐待防止委員会への報告および情報共有
  • ・職員への実践的な助言および現場支援
  • ・その他、身体拘束最小化に関する実務的事項
  • (5)構成
  • 多職種で構成する。構成員は、医師、看護師、介護福祉士、リハビリ職員、薬剤師、管理部等とし、必要に応じて虐待防止委員会委員が参加する。
  • また、委員会の委員をもって身体拘束最小化チームを構成し、病棟ラウンド(巡回)や改善活動等の実務 を担う。
  • (6)開催頻度
  • ・身体拘束最小化委員会は、1か月に1回以上開催する。
  • ・必要時には臨時開催する。
  • ・委員会では、身体拘束実施状況、身体拘束割合、ラウンド結果、改善状況等を確認し、必要な対策 を検討する。
  • ・会議内容は議事録として記録し、適切に保管する。

第4条 身体拘束等の適正化のための職員研修

  • ・身体拘束等の適正化を目的とした研修を、年2回以上および採用時に実施する。
  • ・研修内容・出席者・日時を記録し保管する。
  • ・身体拘束の代替手段、患者の尊厳の保持、薬物使用の適正化を含む内容とする。
  • ・身体拘束を行わないための工夫や代替手段について、現場から意見を収集し運営に反映する。

第5条 身体拘束等発生時の対応

  • ・身体拘束等を行う場合は、緊急やむを得ない場合に限り、三要件を満たしていることを確認した上 で実施する。
  • ・身体拘束等の実施にあたっては、利用者または家族へ説明を行い、同意を得るよう努める。
  • ・身体拘束等を実施した場合は、その態様、時間、患者・利用者の心身の状況および実施理由等を 記録する。
  • ・身体拘束等実施後は、早期解除に向けた検討を行う。

第6条 身体拘束等の報告方法及び検証

  • ・身体拘束等が行われた場合は、速やかに管理者および関係部署へ報告する。
  • ・身体拘束等の実施状況については、身体拘束最小化委員会および虐待防止委員会において検証し、再発防止に努める。

第7条 指針の閲覧

本指針は、患者・利用者および家族がいつでも閲覧できるよう施設内に掲示し、必要に応じてホームページにも掲載する。身体拘束の実施状況(実施割合等)についても、院内掲示および必要に応じでホームページ掲載により情報公開する。

第8条 その他

  • ・身体拘束ゼロを目指し、患者・利用者の尊厳を守るケアの実践に努める。
  • ・身体拘束等の適正化に関する内部研修・外部研修へ積極的に参加し、サービスの質向上を図る。
  • ・病院グループ全体として身体拘束最小化に取り組み、継続的な体制整備およびケアの質向上に努める。

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